2018年10月23日
  • 一般社団法人さいたま市地域活性化協議会

地方創生PRGの可能性 – 有限会社井桁屋代表取締役・高久田洋平さん – 埼玉県さいたま市の地域活性化を考える勉強会 第11回


「地方創生PRGの可能性」さいたま市を舞台にしたPRG・ローカルディア・クロニクルの開発者・高久田洋平さんに訊く

第11回「埼玉県さいたま市の地域活性化を考える勉強会 第11回」が、2018年3月4日(日)17時30分〜開催されました。
「第11回 埼玉県さいたま市の地域活性化を考える勉強会」開催のお知らせ – 一般社団法人さいたま市地域活性化協議会

第11回目の今回は、「PRGで地方創生の可能性を模索する」さいたま市初の「公認」PRGのローカルディアクロニクルの開発者である有限会社井桁屋代表取締役・高久田洋平さんをお招きし、同ゲームの開発秘話や苦労、「地方創生PRG」の可能性などをお話いただきます。また、本年春に行田市がリリース予定の「自治体が開発する日本初のRPG」にも関わっていらっしゃるのでそのお話も伺います。

■スピーカー
高久田洋平さん
https://www.facebook.com/so.much.for
有限会社井桁屋代表取締役。さいたま市を舞台にした「公認」のPRG・ローカルディア・クロニクルの開発者。さいたま市ニュービジネス大賞2015ビジネスプラン賞受賞。本年春に行田市がリリース予定のPRGにも関わっている。

以下では、当日の報告レポートと、動画を公開しています。

 

地方創生PRGの可能性 – 有限会社井桁屋代表取締役・高久田洋平さん

有限会社井桁屋は、埼玉県さいたま市北区に拠点があります。2005年7月に設立されて、従業員数3人。
現在、ファッション雑貨をヨーロッパから輸入する卸業と、モバイルコンテンツ開発業をしています。

創業当初は、ファッション雑貨をヨーロッパから輸入する卸業のみをしていたとのことですが、支払いから回収までのキャッシュフローの流れの期間が1年と長く、別事業を展開する必要性を感じたとのこと。

そこで、翌年2006年7月から当時のガラケー公式サイト(auとソフトバンク)、2011年7月から主たる端末がガラケーからスマートフォンに移行する中でアプリ開発と運営も開始しました。

アプリ開発のテーマは、ゲーミフィケーション。ゲーミフィケーションとは、本来ゲーム性のないものにゲーム性を付与することとのことです。

今までに開発したアプリは16本。「ダイエット×ゲーム」「万歩計×ゲーム」「目覚まし時計×ゲーム」などを作ってきたとのことです。例えば、万歩計アプリではシルクロードを歩いているかのようなアプリ、目覚まし時計アプリではスムーズなどを使わずに1回で起きられたらゲームの中のキャラクターの好感度が上がるなどです。

そして2016年に「地方創生×ゲーム」の配信を開始。
地方創生O2Oアプリ「さいたま市RPGローカルディア・クロニクス」を、2016年5月3日に配信を開始したとのこと。
もうすぐ丸2年が経ち、ダウンロード数は約40万ダウンロード。2017年5月に英語版をリリースしたことで、海外からのダウンロードも増えてきました。今でも1日200〜400ダウンロードされているとのこと。

埼玉県さいたま市は自主的に作り、事後的にさいたま市ニュービジネス大賞を受賞したアプリでしたが、埼玉県行田市のアプリは初めから埼玉県行田市からの観光用の予算で委託を受けて、日本初の自治体によるRPGアプリを開発しました。「言な絶えそね-行田創生RPG-」が2018年2月23日から配信を開始。税金を使ってアプリを作ったわけですが、イメージとしては地方自治体がご当地キャラクターを作るのと同じような流れになっていければと思っているとのこと。
リリース2日目でダウンロード数は18,000ダウンロードを超えました。

地方創生RPGは、架空の都市(さいたま市や行田市)世界を旅しながらモンスターとの戦いを通じて成長し、物語が進んでいくゲームです。ゲームを通じた郷土理解を目的としています。
郷土への興味関心が薄いという地域課題を解決できればと考えています。

例えば、さいたま市の大宮であれば、氷川神社がゲーム内で出てくることで、氷川神社のことを知るなどです。

また、ゲームをキッカケに現実社会の行動に結び付けられないか、つまり、オンラインの情報と接触することで、オフラインの購買行動に結び付けられないかということです。
O2O(ONLINE TO OFFLINE)として、ゲーム内の情報をキッカケに、現実の施設や店舗へ利用者を誘導して消費を促すことも目指していきたいと考えています。

位置情報(GPS)を利用してゲーム内で強力なアイテムを入手できたり、クーポンを利用したりで、店舗での消費や移動による消費を起こさせることができ、また施設訪問による郷土理解の深化ができるとのこと。
とある焼き鳥屋さんでは、クーポンの利用回数は1,200回を超えているとのこと。それだけ送客も貢献できていそうです。

市民だけが楽しめるストーリーではなく、誰でも楽しめる市外や海外からの観光を促進する可能性のあるアプリゲームを心掛けました。

つまり、地方創生RPGの目的は、
(1)市民に向けては、市民としての一体感を醸成して郷土愛を育む。
(2)地域に向けては、地域と連携し、地域経済を活性化させる。
(3)市外・海外にむけては、市の魅力を発信してインバウンドを促進する。
という3つになります。

ゲーム市場もスマートフォン市場も、いずれも伸びています。
その分、アプリの開発コストも掛かるようになり、どうしても課金が盛んになってしまうような傾向にあります。
地方創生PRGでは、他人との競争が生まれないようにして、課金上限額は1500円まで、過度に課金せずとも自分のペースで楽しめるような配慮をしています。

行田市では、キャラクターが観光地を紹介するような形を取っています。その場所に行ってGPSを使ってボタンが押された回数もリリース5日で3,600回を超えています。街めぐり施策としても貢献できていると思います。もう少しクーポン協賛店や地域施設との連携をしていければもっと面白いアプリになっていくと考えています。

このような地方自治体からのお話もいただけるようになりました。行田市だけでなく、他の市町村での話も進んでいます。
ビジネスモデルとして、弊社は開発に携わりますが、アプリ内課金の売上は地方自治体が得ることになります。税収以外の収益と考えると、地方創生RPGは面白い取り組みではないでしょうか。新しいアプリ内課金の仕組みを作りたいと思っています。

また、海外では誰でも日本に実際に旅行に来れるわけではありません。しかしながら、アプリを通じて、海外の人にも自分たちの地方自治体を知ってもらい、海外のファンを獲得できる可能性もあると思っています。そこでいかに魅力的な自治体としてのコンテンツを作っていくか、それにより実際に地方自治体に来なくても消費がなされて、地方自治体の収益になるというのも新しい形だと思います。

 

当日の動画

今回の動画は公開されています。約1時間の動画となりますが、お時間とご興味がありましたら、ご覧ください。

「埼玉県さいたま市の地域活性化を考える勉強会 第11回 (1/2)」地方創生PRGの可能性 – 有限会社井桁屋代表取締役・高久田洋平さん

「埼玉県さいたま市の地域活性化を考える勉強会 第11回 (2/2)」地方創生PRGの可能性 – 有限会社井桁屋代表取締役・高久田洋平さん

 

ゲーミフィケーションのワークショップ

 

高久田洋平さんの地方創生RPGのお話の後、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科・特任准教授の常盤拓司さんを中心に、ゲーミフィケーションとして、日常で単調だったり何気ないことで、それをゲーム化したら面白いことも、ブラッシュアップをするワークショップが行われました。
例えば、料理をすることをゲーム化する、掃除をすることをゲーム化する等、その他にも活溌な意見がなされました。

 
その後、質疑応答も活溌に行われまして、懇親会も開催されました。

高久田洋平さん、お話をありがとうございました。

「埼玉県さいたま市の地域活性化を考える勉強会」を、2015年7月より2カ月に一度のペースで、定期的に開催していました。昨年9月に「一般社団法人さいたま市地域活性化協議会」を設立し、本年1月に勉強会を本格化しました。次回の開催は、またこのWebサイトに公開していきます。メールマガジンでもお知らせを流しています。ご興味とお時間が合いましたら、ぜひお気軽に勉強会にご参加ください。

この記事を書いた人

一般社団法人さいたま市地域活性化協議会の編集部です。
一般社団法人としての活動や、埼玉県さいたま市地域の記事を書いています。
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